いづ藤のよみものbook

健康食としての納豆の力

[発酵のお話]

7月も、長かった梅雨も明け、ようやくスッキリとした夏らしい晴れ間が見えてきました。
いよいよ来週から夏本番の8月、暑い日が多くなるので、健康にはより一層気をつけたい季節です。

そんな中、今回ご紹介する発酵食材は、漬物と同様に昔から健康に良いと古くから日本人に親しまれている発酵食材『納豆』です。

健康食としての納豆の側面をご紹介します。

 

1.納豆の定義と種類

そもそも納豆とは、“煮た大豆の表面に納豆菌が増殖する事により、粘質物と特有の香気を生じた食品”と定義されています。

その種類は大きく2つに分けられ、ネバネバな糸を引く一般的な納豆「糸引き納豆」と、乾燥させて糸を引かない「塩辛納豆」とがあります。

「塩辛納豆」は、「寺納豆」とも呼ばれ、煮た大豆をコウジカビで発酵させ、塩などを加え発酵させて作り、醤油のもろみを干したような感じの納豆で、黒く塩辛いのが特徴です。代表的なものとして、京都の“大徳寺納豆”が有名です。

「糸引き納豆」は、「丸大豆納豆」「ひきわり納豆」「五斗納豆」の三種類があります。

「丸大豆納豆」は、大豆を丸ごと煮て発酵させてた一般的な納豆で、食物繊維が多いのが特徴です。豆の大きさも、“極小粒”、“小粒”、“中粒”、“大粒”と四種類あります。

「ひきわり納豆」は、大豆を煎って荒く焼き、表皮を取り除いてから煮る為消化がよく、匂いなどで納豆が苦手な方でも食べやすい納豆です。

「五斗納豆」は、山形県米沢地方に伝わる郷土食で、ひきわり納豆に麹や塩を混ぜて樽に仕込んで熟成させたものです。

多種多様な納豆があることに驚かされます。

 

2.納豆の歴史

納豆の歴史は、正確にいつから始まったか特定は出来ないのですが、弥生時代には米と大豆の栽培が行われていた為、稲わらの納豆が生れていた可能性が示唆され、一般的には、飛鳥時代に聖徳太子が人々に伝えたという説が起源とされています。

奈良時代に入り、中国の唐で学んだ僧侶によって「塩辛納豆」が日本に伝わり、寺院の納戸(台所)で作られる事が多かった為、『納豆』と呼ぶようになったそうです。

平安時代の生活を記した本に、初めて『納豆』の文字が登場し、この時代の源義家によって、「糸引き納豆」が誕生したという伝説があります。

江戸時代には、「糸引き納豆」が庶民に普及し、朝の定番食となりました。

このように納豆には、日本人にとって長い歴史がある伝統的な食品なのです。

3.脅威の健康食材・納豆

納豆は腸内環境を改善する「納豆菌」「食物繊維」「オリゴ糖」等を代表とする成分を豊富に含んでいます。

「納豆菌」が善玉菌を元気にし、「食物繊維」が善玉菌を排除し、「オリゴ糖」が善玉菌の餌になります。
特に、「納豆菌」には酸や熱に強い「芽胞」の状態になっているものがあり、胃酸で死滅しないのです。よって納豆の整腸効果は他の食品よりも大きいという事が言えます。
その他にも、血栓防止、血圧降下、血行促進の効果もある為、健康に多大なメリットを与えてくれます。

また、「糸引き納豆」のネバネバは「ポリグルタミン酸」という、アミノ酸が長くなったポリマーで、このネバネバが、納豆菌が外敵から身を守る為のバリア機能をはたしていると考えられています。
「ポリグリタミン酸」は老廃物の排出を促す為、肌のうるおいを保つという嬉しい作用もあります。

他にも、納豆に含まれる大豆イソフラボンは女性ホルモンの様な作用をする為、女性に嬉しい食品と言えます。更には、ビタミンKも豊富に含んでおり、骨粗鬆症の予防にも効果的とも言われています。

4.納豆の効率的な正しい食べ方

健康に嬉しい沢山の作用を持つ納豆ですが、納豆の効能を効率的にする為には、どのように食べるのが良いのでしょうか。

  • よく混ぜる
    ●なるべく加熱はしない
    ●相性のよい食材と組み合わせる

という食べ方が挙げられます。

この中で気をつけたいのが、“加熱処理”です。納豆菌は70度以上になると酵素機能が失われてしまう為、加熱せずそのまま食べるのが望ましいです。

しかし調理する際、納豆のネバネバが気になる様でしたら、使う前の調理する箸を、“塩水”で浸すとネバネバが付きにくくなり、調理しやくなります。

食べ合わせに関して、栄養効果がUPする食材は、“キムチ”や“切干大根”、“たまねぎ”などです。また、消化吸収をよくする為に、油や大根おろしとの組み合わせも効果的です。

 

そして最後は、今回の納豆を使ったお料理をご紹介します。
「納豆つくねの御出汁仕立て」「納豆サラダ巻き」「納豆糀」でした☆

いづ藤の味醂粕漬を細かく刻んで納豆に混ぜ込むのも味も良く、「発酵食品×発酵食品」で食べ合わせてとしては最高です。

健康を壊しやすいこの季節、『漬物×納豆』で夏に負けない健康な体を目指しましょう。

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