いづ藤のよみものbook

名古屋城再建といづ藤漬物舗-後編-

[いづ藤の歴史]

前編にて、名古屋城の歴史、戦争に巻き込まれ消失に至った経緯、そして、名古屋城の再建という大仕事に関わったいづ藤の創業者伊藤秋政の紹介から、名古屋城再建の為につくられた「いっこく会」の発足までを紹介いたしました。

今回の後編では、その「いっこく会」がどのように名古屋城再建という大仕事に貢献したのかというお話しを中心にご紹介いたします。

 

1、「いっこく会」の苦悩

昭和29年1月に7名の発起人で発足した「いっこく会」は、名古屋城再建の為の1億円を集める為に動き出しました。
先ず、総勢25名まで拡大した会員のそれぞれのお店の店頭に、名城再建募金箱を置き、募金活動を開始しました。
同年5月、初めて開いた募金箱の金額に、会員の一同は落胆します。
「いっこく会」の運営の手伝いをしていた秋政の息子、二代目当主鑛一が懸念していた通り、募金で集めた金額は一億円には程遠い金額だったのです。

しかし、そこは流石“意志を曲げない頑固者”です。
いっこく会の使命である、「一刻も早く名古屋城の再建を!」という使命を果たす為、それまで以上に団結した会員は、ある秘策を思い付くのです。

そしてこの秘策が、募金化活動を大きく飛躍させるものとなるのです。

 

2、「名城を再建しましょう」の傘

昭和30年7月、「いっこく会」はある活動をスタートしました。
それは、名古屋市中区内の小学校への傘の寄付です。
もちろん、寄付した傘はただの傘ではありません。
なんと、傘に「名城を再建しましょう」という合言葉が入った傘を小学校へ寄付したのです。

この活動のお陰で、「名城を再建しましょう」といういう合言葉が徐々に広まり、市民の胸に名古屋城再建の灯がついていったのです。

その後も、昭和31年7月に行われた映画スターと「いっこく会」との対抗野球試合や仮装行列パレード(現代で言うコスプレイベント)など、話題に事欠かない様々な企画で、世間の注目を集めていきました。

その結果、到底難しいとされていた1億円を集める事に成功し、全額名古屋市に寄贈、いよいよ行政も当初の再建中止の決定を変更し、再建に舵を切ることとなりました。

「いっこく会」は見事、名古屋城再建という大仕事の礎を築く事が出来たのです。

 

3、名古屋城再建の苦悩を取り上げたNHK「プロジェクトX」

資金集め成功後も、名古屋城再建には大きな苦悩が待ち構えていました。
金の鯱を甦らせる苦悩や、石垣修復の苦悩など、名古屋城の再建は多くの方々の苦悩と熱い想いによって成し遂げられました。
そこには、聞く人の心を震わせるストーリーががあるのです。

そんな名古屋城再建の歴史を、「NHKのプロジェクトX」という番組が取り上げています。

この読みものでは、語りつくせなかったもっと詳しい話が、映像と解説でわかりやすくまとめられています。

興味のある方はAmazonなどで販売しているようなので、是非ご覧ください。

この話を知って、名古屋城を見上げる時、先人達の「尾張名古屋は城で持つ」という街に対する愛着と誇りに思いをはせ、きっと以前よりも輝いて見える名古屋城が心に映る事と思います。

名古屋城再建という大仕事の礎を築いた創業者秋政に見習い、私ども現いづ藤も、これかも末永く名古屋という街に、様々な形で貢献していこうと考えています。

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