いづ藤のよみものbook

お茶の発酵を知る

[発酵のお話]

11月に入り、一段と肌寒い日が多くなりました。予報では来週には冬将軍が到来すると言われていて、今年は秋を通り越して冬の訪れを感じます。急な季節の変化に体調を崩さないように気をつけたいものです。

今回は、そんな寒い季節に、ホッと一息つける飲み物『お茶』の話です。

一言でお茶と言っても、その種類は実に様々で、緑茶、紅茶、中国茶、台湾茶…等数えきれないほどです。

実は、お茶にも「発酵茶」という種類があるのをご存じでしょうか。今回は、そのお茶の“発酵”についてご紹介したいと思います。

 

 

1.発酵茶とは?

摘みたての茶葉は鮮やかな緑色をしています。その後、茶葉の中の酸化酵素が茶葉の中のカテキンを酸化すると、茶色へと変色します。この酸化酵素が働く過程を、製茶では“発酵”と呼ぶそうです。

お茶は発酵の度合いによって大きく4つに分類されます。

  • 不発酵茶…緑茶など全く発酵されていないお茶。
    ●半発酵茶…烏龍茶など発酵を途中でやめたお茶。
    ●発酵茶…紅茶など完全発酵されているお茶。
    ●後発酵茶…乳酸菌などの微生物で発酵されたお茶。

製茶の“発酵”と、発酵食品などの本来の“発酵”とは意味が違い、本来の意味での発酵茶は『後発酵茶』のみという事になります。

実はこの後発酵茶には、“幻のお茶”と言われるお茶があります。
一体それはどんなお茶なのでしょうか。

 

2.後発酵茶「阿波番茶」は漬物茶!?

この“幻のお茶”と言われているのが、徳島県の「阿波番茶」という後発酵茶です。このお茶は、古くから伝わる伝統的な製法で作られていて、別名“漬物茶”と言われているのです。

普通のお茶の原料は、新葉や新芽を使いますが、阿波番茶は成長した古茶を枝ごと刈込みます。

茶色に変わるまで釜茹でし、足を使って樽に漬け込み植物系の乳酸菌で発酵させる様はまさに漬物のようです。
そして、10日~20日漬け込んだものをむしろの上で天日に干し、乾燥して出来上がった茶葉は艶が出て黄金に光るそうです。

現在では、手間と時間がかかる為後継者が減り、“幻のお茶”と言われています。

渋みも少ない為飲みやすく、カフェインも少なめで、血糖値の抑制、腸内環境の改善など、様々な効果が期待できるのが、後発酵茶です。

スーパーやドラッグストア、百貨店などでの購入が難しい為、ネットでの購入がオススメです。

是非いづ藤のお漬物と一緒に、毎日の食事に取り入れてみてください。

 

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